頚椎を治すための基礎知識と病態解釈
理学療法士、柔道整復師、鍼灸師、治療家の方へ
頚椎を治すために何を勉強すればいいのか、何から手をつければいいのか、わからないですよね?そこで今回は頚椎を治すにあたって必要となる問診→検査→整形外科的テスト→治療の選択をわかりやすく記載しましたので是非読んでみてください。
頚椎に必要なこととは?
どの疾患を治すのにも「解剖学」「機能解剖学」「病態解釈」と少しの「生理学」が必要だと私は考えています。頚椎を治すのも同じです。頚椎疾患には頚椎ヘルニア・胸郭出口症候群・外傷性頚椎症候群・側弯症・頚椎椎間関節障害・頚椎症などありますが、全て病態解釈と機能解剖さえ理解すれば治せます!
それではそれぞれステップに従って解説を進めていきたいと思います。
最初は問診です。かなり重要なステップになります。
それはなぜか?問診で痛みの原因を予測できるからです。その問診の手順を紹介していきます。
問診方法
- いつから痛いのか?(急性期疼痛か?慢性疼痛か?緊急性があるのか?)
- どこが痛いのか?(筋肉なのか?関節なのか?神経痛なのか?)
- なぜ痛くなったのか?(外傷性なのか?痛い原因はあるのか?)
- どうすると痛いのか?(動作時痛があるのか?同一姿勢で痛くなるのか?)
- どんな症状で一番悩んでいるのか?(主訴の確認)
- 現病歴・既往歴
実際のやり方はセミナーでお伝えしていますが、動画では問診で重要な点をお伝えしています。是非見てみてください!
問診が終わるとある程度痛みの原因がわかります。原因を突き詰めていく作業が検査です。さらに整形外科的テストで核心に迫ります。
それではスクリーニング検査から整形外科的テストを紹介していきます。
検査方法
①頚椎スクリーニング検査
屈曲、伸展、側屈、回旋。ここで痛みの原因を突き詰めていきます。
a.屈曲で痛い場合
→筋肉由来の痛みかも(筋肉の伸長痛)
b.伸展で痛い場合
→関節の痛みかも(椎間関節の衝突)or神経痛かも(神経根障害)
c.側屈で痛い場合
右側屈で左が痛い場合
→筋肉由来の痛みかも(筋肉の伸長痛)
右側屈で右が痛い場合
→関節の痛みかも(椎間関節の衝突)or神経痛かも(神経根障害)
左側屈で右が痛い場合
→筋肉由来の痛みかも(筋肉の伸長痛)
左側屈で左が痛い場合
→関節の痛みかも(椎間関節の衝突)or神経痛かも(神経根障害)
d.回旋で痛い場合
右回旋で左が痛い場合
→筋肉由来の痛みかも(筋肉の伸長痛)
右回旋で右が痛い場合
→関節の痛みかも(椎間関節の衝突)or神経痛かも(神経根障害)
左回旋で右が痛い場合
→筋肉由来の痛みかも(筋肉の伸長痛)
左回旋で左が痛い場合
→関節の痛みかも(椎間関節の衝突)or神経痛かも(神経根障害)
以下の動画ではわかりやすく頚椎のスクリーニング検査をお伝えしていますので是非みて下さい!
問診とスクリーニング検査である程度痛みの原因を予測できています。整形外科的テストでは痛みの原因の核心に迫ります。
②整形外科的テスト
a.スパーリングテスト・・・陽性の場合は神経根の圧迫を疑う。
b.ジャクソンテスト・・・陽性の場合は神経根の圧迫を疑う。
c.ルーステスト・・・陽性の場合は胸郭出口症候群を疑う。
d.モーリーテスト・・・陽性の場合は胸郭出口症候群を疑う。
d.アドソンテスト・・・陽性の場合は斜角筋による胸郭出口症候群を疑う。
e.アレンテスト・・・陽性の場合は小胸筋による胸郭出口症候群を疑う。
f.神経学的検査・・・頚椎何番で神経根障害が起きているか予測する。
問診検査が終わると、痛みの原因がわかるようになります。すると治療の方針は自然に決まりますよね。そこで問題になるのが治療方法です。セミナーでは私の治療方法をかなり細かくお伝えしますが、ここではおおざっぱになってしまいますが、治療方法を紹介していきます。
治療方法
①筋肉由来の痛みの治療方法
頚椎で筋肉の痛みの場合は僧帽筋上部線維、肩甲挙筋の緊張が高まり、虚血状態となり、痛みが生じているケースがほとんどです。
つまり、僧帽筋上部線維、肩甲挙筋の緊張を落としてあげると痛みは軽減します!
②関節由来の痛みの治療方法
関節の痛みは、頚椎椎間関節の動きが失われ痛みが生じています。椎間関節の動きを取り戻してあげれば痛みは軽減します。
③神経由来の痛みの治療方法
神経由来の痛みは二つあります。頚椎ヘルニアによる神経根の圧迫と胸郭出口症候群による腕神経叢の絞扼です。
頚椎ヘルニアの治療は椎間孔を広げて神経根の圧迫を取り除けば痛みが軽減します。
胸郭出口症候群の治療は、斜角筋もしくは小胸筋の筋肉を緩めれば痛みは軽減します。
いかがでしたか?首の痛みで悩んでいる患者様の痛みがなくなった時、患者様の未来は明るくなります。私たち治療家にとって痛みを軽減させること、消失させることは使命です。そして、治せた時が治療家にとって「最大の喜び」です。私のこの記事が少しでも治療家の役に立てば幸いです。
追伸、実際の問診・検査・治療計画・治療方法は実技セミナーでお伝えしています。あなたもセミナーに参加して、私と一緒に頚椎で悩んでいる患者様をバンバン治していきませんか?無料セミナーもありますので、気軽にご参加してみて下さいね。
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